精神分析系

このページでは精神分析とそこから派生した心理療法理論のうち主要なものについて説明しています。

精神分析療法
(Psychoanalysis)

精神分析はフロイトが創始したパーソナリティの構造と機能に関する理論であるが、同時にその理論をもとに行う精神療法も意味する。

精神分析は

  • 人間の思考行動は無意識的動機に大きな影響を受けている
  • 無意識的動機は幼児体験に起源を持つ
  • 治療は現象の「解釈」と患者の抵抗・転移の操作が必要

を前提としている。

フロイトが最終的に至った治療法は自由連想法といい、クライアントは寝椅子に寝そべり、心理療法家の顔が見えない状態で自由連想を行い、心理療法家がそれを解釈する。

これを通常は週に4〜6回程度の頻度で外来で行う非常にインテンシブな心理療法であり、フロイトが対象としたのは神経症の治療である。

上記のようなフロイトの精神分析法は現在では古典的精神分析と呼ばれ、批判や発展により多くの理論がフロイト以後誕生した。

精神分析的精神療法

精神分析は週に4〜6回という頻度で通院しなければならず通常の社会生活をしているクライアントの場合相当な困難を伴うという難点がある。また心理療法家には神経症以外の治療もしなければならないという要請もある。

精神分析の理論を土台に上述のような点を発展・改善したのが精神分析的精神療法である。

一般論として面接の頻度は高いほど良いとされるが、精神分析的心理療法では週1回程度(場合によっては隔週)の面接でもどうにか対応できる。

面接の頻度が下がる分、治療者の力量が治療効果に大きな影響を与える反面、能力の高い心理療法家であれば神経症以外の症状にも対応できる。

分析的心理学
(Analytical Psychology)

フロイトとともに精神分析の発展に大きく寄与したスイスの精神科医ユングは1913年にフロイトと決定的に離別し、自らの理論を自己心理学と名付けた。

分析的心理学では無意識を個人的無意識と普遍的無意識に分けて考える。個人的無意識は自我によって抑圧されたり忘却されたりした心的内容が感情によって結合されて成り立っているとする。

分析心理学では主として夢分析を通じて普遍的無意識の内容を意識化することを「個性化の過程」と呼び重視する。

箱庭療法
(Sandplay Therapy)

内側を青く塗った72×57cmの浅い箱に砂の他、様々な玩具(人・動物・植物・乗り物・・・)を用意し、それらの一部を使って患者が自由に作品をつくることにより行う心理療法である。

治療者が作品を言語的に「解釈」するのではなくて、治療者クライアント間の人間関係の中でクライアントの自己治癒能力が活性化することにより治療効果が得られると考えられている。

治療者は作品を「理解」する必要はあるが、その理解は一般にユングの分析心理学によってなされることが多い。

箱庭療法を日本に持ち込んだのは日本人としてユング派分析家第一号の河合隼雄である。

個人心理学
(Individual Psychology)

やはりフロイトとともに精神分析の発展に寄与したが1911年に離別し、自らの理論を individual(分割不能な最小単位の意味) psychologyと名付けた。個人心理学と訳されるのは individualの直訳であまりふさわしくないという指摘もある。

フロイトが汎性欲説と言われるほど性衝動を重視したのに対し、アドラーは優越性の追求の衝動を重視した。アドラーによれば神経症の症状も劣等感と過補償という観点から説明できるとされる。

同時に、個人の社会的感情という概念により、自我(個人)と社会とがどう関わるかが大切であると考えている。環境によって性格が大きく影響されるという考えもその一環である。

交流分析
(Transactional Analysis)

交流分析もまた精神分析の流れを引く理論である。詳しくは交流分析の項をご覧下さい。